理学療法士として働くなかで、患者さんが良くならず凹んだり、人間関係のトラブル等で悩み病むことは多いもの。
また給料の安さであったり将来性が不透明な点など、理学療法士を取りまく状況に不安を抱くことも多いですよね。
そのため「理学療法士、辞めたい…」と自然と感じるようになることも…。
僕もこれまで何度、辞めたいと思ったことか…
とはいえ、周りは同じ状況でも頑張ってるのに自分だけ辞めたいと感じるのは甘え?と悩む人も多いんじゃないでしょうか。
そこで本記事では、「理学療法士を辞めたい」と思い悩む人に向けて、15年目PTの筆者が今後どう考えて進んでいくべきかを示していきます。
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理学療法士を辞めたいと感じるの甘えじゃない
率直に言うと、理学療法士を辞めたいと感じるのは普通のことで決して甘えではないです。
筆者もリハビリ科のトップとして、これまでも部下に「辞めたい」といった相談をされることは多々ありました。
また自分自身も15年というPT人生のなかで、少なくとも3回は辞めたいと感じたことがありました。
僕はリハビリが全然うまくいかず、申し訳なさから辞めたくなった…
筆者の場合は自分のスキルのなさが原因でしたが、同僚や他職種との人間関係や給料面など色んな理由で辞めたいと口にするPTをみてきました。
辞めたいと思っている人は多い
実際にSNS上では、理学療法士辞めたいとつぶやく人は多くいます。
X(旧twitter)で「理学療法士 辞めたい」で検索すると、実に多くのつぶやきがありました。
特に1年目〜5年目までの若手の理学療法士で辞めたいと悩んでいる人が多い傾向にありました。
辞める人もわりといる
下図は理学療法士の離職率を示したものですが、ひとつの職場で10〜20%近いのPTが1年で辞めています。
理学療法士の離職率(1年間で辞める人の割合)
医療従事者の需給に関する検討会(H28.理学療法士・作業療法士需給分科会)
- 医療施設:10,2%(10人に1人が辞める)
- 介護施設:18,8%(5,4人に1人が辞める)
このように理学療法士では、意外と多くの人がその職場を辞めたり、理学療法士を辞めていることが分かります。
以上のように多くの理学療法士を辞めたいと感じたことがあったり、実際に辞めています。
なので辞めたいと感じるのは決して甘えではなく普通のことなので、自分を責めたりはしなくてOKです。
理学療法士を辞めたいと感じるよくある理由
覚悟をもって医療の道を選んだ理学療法士が辞めたいと感じるのには、それなりの大きな理由があります。
ここでは理学療法士が辞めたいと感じるよくある理由を解説していきます。
それぞれ解説していきます。
リハビリが上手くいかない
臨床では病態把握が難しい患者さんは多く、上手く治療介入ができず、なかなか身体機能・ADLが回復しないケースは多々あります。
そんな思うように良くならない状況が続くと、患者さんに申し訳なさを感じ介入するのも怖くなりますよね。
先輩からはダメ出しをされ、医師からも詰められると不甲斐なさを感じ「自分には合っていないんじゃないか」と思うように…。
自信がなくなって辞めたくなっちゃうよね
リハビリが上手くいかず、患者さんに申し訳ないと悩み「辞めたい」と感じるようになる人は実に多いです。
筆者もリハビリが上手くいかず、自分にはセンスがないと辞めたくなった過去があるので、よく分かります。
人間関係に疲弊する
特に経験年数が少ない頃は、先輩PTからダメ出しされたり、叱られたりで気持ちが落ちる場面は多々あります。
リハビリ以外でも、怖いドクターや看護師とも情報共有で話させないといけなくストレスは溜まりやすいです。
またスタッフ同士の仲が悪くピリピリする部署だと、人間関係に疲弊して辞めたいと感じやすくなります。
人間関係のわるさはストレス溜まるよね
実際に筆者もこれまでに人間関係に疲弊して、病んでうつや適応障害と診断された方を複数名みてきました。
給料・待遇がイマイチ
医療職は給料が高いイメージを持つひとも多いですが、いざ働いてみると給料の安さに驚く人も多いんじゃないでしょうか。
悲しいことですが、理学療法士の平均年収は世間一般の平均よりも低いというのが実情です。
PTの給料事情
理学療法士 | 全労働者 | |
---|---|---|
平均年収 | 426,5万円 | 443万円 |
国家資格なのに世間の平均より低いなんてショックだよね
また同じ医療職でみても理学療法士の給料の安さは際立っています。
平均年収 | |
---|---|
リハビリ職 | 427万円 |
医師 | 1,378万円 |
看護師 | 499万円 |
薬剤師 | 581万円 |
放射線技師 | 547万円 |
臨床検査技師 | 496万円 |
PTだけ飛び抜けて安いよね
上記のように理学療法士は、仕事が大変なわりに給料が安く生活が厳しいことからも、辞めたいと感じる人が多いです。
さらにサービス残業・書類業務の多さや、有給が取れないなど待遇面の悪さも辞めたいと感じる原因にあげられます。
理学療法士の給料の安さについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
頑張りが反映されにくい
理学療法士は新人だろうと、ベテランだろうと診療報酬は一緒で稼げる額は全く同じ。
なので、どれだけリハビリでの改善率が良かろうが給料に反映されないのが実情です。
むしろ基本給が安い若手の方がありがたられることも
頑張って勉強してスキルを上げても資格をとっても、それが給料という形に反映されないため、やる気が出ず辞めたいと思う人も……。
やりがいを見出せない
いざ医療の現場で働き出すと、思い描いていた理想と現実のギャップに悩むことも多いです。
医療界の厳しさや現実に直面したり、前述の人間関係の煩わしや、頑張りが給料に反映されない現状などに疲弊する人は多いです。
そうするなかで理学療法士としてのやりがいを見出せなくなって、辞めたいと感じるようになります。
決して楽な仕事じゃないしね
理学療法士を辞めたいと感じた時に最初にすべきこと
理学療法士を辞めたいと感じたとき、すぐに次の行動をするのではなく、まずは以下3点を意識してみましょう。
原因を明確にする
まず辞めたいと感じたときにすべきことは、なぜ辞めたいのかを明確にすること。
- 治療技術の不足による不甲斐なさ
- 患者とのコミュニケーション
- 職場の人間関係
- 今いる分野があっていない
- PTのやりがいを見出せない
辞めたい原因ひとつで次に取るべき対策も変わってくるので、まずは自分がどの問題で悩み辞めたいのかを明確にしていきましょう。
問題がはっきりすることで、次にすべき行動も自然と見えてくるよ
辞めたい原因が明確になり、辞める選択をすることで解決するなら理学療法士1年目でも辞めてもOKです!
信頼できる人に相談する
人と話すなかで、自分がなぜ辞めたいのか、またその解決策が自然と明確になることはよくあること。
また話をしていくことで、「まだ辞めずに続けていけるかも!」と気づきを得ることもあります。
いきなり上司に話をするのはハードルが高ければ、まずは同僚や家族など近しい人に相談しましょう!
言葉に出すことで、すっきりすることも多いよ
次の選択肢を用意しておく
色々な悩み・トラブルから辞めたいと感じていても、すぐにはその問題から逃れることは難しいです。
その状態でずるずると時間が経てば、最悪メンタルをやられて病んでしまうことも…。
そうなる前に、早い段階で次の選択肢を用意しておくことはかなり重要です。
次の選択肢があるだけで、かなり精神的にも楽になるよ
辞めたいと感じたときにすべき対策は、こちらの記事でくわしく解説しています。
理学療法士を辞めたいと感じた時の解決策
もし理学療法士を辞めたいと思っても、まずはすぐに辞めるのではなく、働き方などを工夫して悩みが解決するかみるのがおすすめです。
それぞれ解説していきます。
勉強してスキルアップ
リハビリをして、目の前の患者さんが良くなっていく姿をみると自信にもなりますしやる気もアップします。
そのためには、やはり理学療法士としてのスキルアップは必須です。
感覚的にうまくリハビリができる天才肌の人もいるかもですが、やはり僕たち凡人は勉強して知識・技術を磨いていくしかないんです。
大変だけど、一歩ずつ成長していくのが王道だよ
最近ではオンラインセミナーがすごく便利で、すきま時間でサクッとスキルアップできる環境が整っています。
リハビリ向けのオンラインセミナーは数多くありますが、中でもリハノメはコンテンツ数や講師の質など総合的にみておすすめです。
スキルアップを図って患者さんをもっと良くしたいなら、リハノメを活用してみると良いでしょう。
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リハノメの評判は、こちらの記事でくわしく紹介しています。
部署を異動してもらう
もし勤務する病院で、急性期や回復期などリハビリの部署がいくつかあるなら、異動をお願いするのもありです。
部署が異動になると、人間関係も一新されてストレスが大きく緩和することはよくあること。
さらにその異動した部署が、もしかしたら自分にあう分野であれば、一気にやる気がアップして、辞めたいと感じなくなることも!
環境が変わるだけで、PTを続けていけることは良くあること
またグループでいくつか施設をもっているようであれば、別の職場への異動をお願いするのもありです。
転職して新たな場所で働く
理学療法士を辞めたくなっても、職場を変えるだけで心機一転して続けていけることも少なくありません。
職場が変われば人間関係、働く分野もリセットできるので、新卒のような新たな気持ちで働けます。
一からのリスタートを切れるよ
ただ次に働く職場選びは失敗したくないので、職場の雰囲気や人間関係もしっかり見極めたいところ。
とはいえ、知らない職場の内部情報まで調べるのは難しいので、そんな時はリハビリ向け転職サイトを活用するのがおすすめ。
転職サイトのスタッフは、各職場に足を運んでその職場の雰囲気や人間関係なども細かくチェックしています。
リハビリ向け転職サイトは数多くありますが、なかでもレバウェルリハビリは職場のリアルな声が聞けることで評判です。
次の職場選びで失敗したくないなら、転職サイトの活用も検討してみましょう!
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レバウェルリハビリの評判などは、こちらの記事でくわしく紹介しています。
休職して一旦リフレッシュする
部署異動や、転職でも理学療法士を辞めたいという気持ちが変わらないなら、休職してリフレッシュするのもありです。
無理して心身に不調をきたす前に、一旦離れてみるのは間違っていません。
別の仕事へ転職もありですが、まずは休職して今後のキャリアプランなどをゆっくり考えてみると良いでしょう。
休職中も、傷病手当である程度の収入は確保できるよ
理学療法士を辞めたあとに後悔しないための注意点
色々と試してもなお、理学療法士を辞めたいと感じるなら退職という選択肢を考えていきましょう。
ただ理学療法という仕事を辞めるという選択をしても、後悔がないようにしたいですよね。
退職後に「理学療法士やめてよかった」と言えるために、以下の3点に気をつけましょう!
- 退職後のプランを明確にしておく
- 他の職場も見ておく
- 事前に次の仕事への準備をしておく(資格取得など)
なかには勢いにまかせて辞めてしまい、その後の苦労を聞くことも多いので、特に退職後のプランをしっかりと決めておくのは重要です。
計画性をもって辞める決断しよう
実際に理学療法士を辞めて、今は別の仕事で頑張っている元PTへのインタビュー記事も参考にどうぞ
理学療法士を辞めたい理由と解決策まとめ
本記事では、理学療法士が辞めたいと感じるのは甘えなのか?
そして辞めたいと感じる理由から、辞めたいと感じた時の対策・解決策、さらには辞めた後に後悔しない方法まで解説しました。
理学療法士がやめたいと感じる理由でよくあるのは以下の5点。
ただ理学療法士が辞めたいと感じるのは決して甘えではなく、多くのひとが感じる普通のこと。
なので変に自分を責めたりしなくてOKで、しっかりと対策していけば問題ないです。
また仮に辞めるとなっても、キャリアプランを決めた上で行動すれば後悔することもなくなります。
続けるにせよ辞めるにせよ後悔ないようにしよう!
今回は以上です。