頭頸部痛は、リハビリでも関わることの多い痛みです。
ただこの部位は痛みに関わる組織も多く、難渋しやすい痛みでもあります。
そんな中、トリガーポイントの概念を知っておくと、痛みを改善できるケースも多くあります。
僕もトリガーポイントにだいぶ助けられたよ
トリガーポイントの基礎について詳しく知りたい方は以下を参照下さい。
そんなわけで本記事では頭頸部痛に関わるトリガーポイントを部位別に紹介していきます。
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頭部の痛みに関わるトリガーポイント
頭部に痛みを送るトリガーポイントは以下になります。
胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋周囲ではなく頭部、頚部と様々な部分に痛みを送るトリガーポイントです。
事故のむち打ちでもトリガーポイントが形成されやすいです。
また痛みの他に平衡感覚障害、視覚障害、全身の症状と多岐に渡って影響を及ぼします。
関連痛領域は頭部全体、耳・眼(眼球深部)周囲、顎、奥歯になります。
好発部位は乳様突起から3横指、5横指、7横指下。
※目眩や平衡感覚障害が出現しメニエール病と誤診されることもあります。
僧帽筋
頭頸部痛に関わるトリガーポイントでは最重要の筋肉。
僧帽筋のトリガーポイントは頭部に関しては主にこめかみに痛みを送ります。
関連痛領域は側頭部(こめかみ)、後頭骨底部、顎、後頚部、肩甲骨上部・内側縁になります。
好発部位は僧帽筋の上部、肩峰とC7の中点、肩甲骨内側、上角。
後頭下筋
後頭下筋は後方の筋ですが、眼や前〜側頭部に痛みを送ります。
偏頭痛の典型的な症状だよ
主には頚こりの原因となり、頚部の動きを制限し頚部の上側に鋭い痛みを生じます。
関連痛領域は側頭部、前頭部になります。
好発部位は後頭下筋自体。
側頭筋
前頭部、側頭部に痛みを送ります。
上歯・歯茎の痛みや知覚過敏、顎に広がる痛みも特徴的です。
関連痛領域は頭頂部、側頭部、顎、上歯になります。
好発部位は目尻から外方へ4横指(そこから後方に向かい多発しやすい)。
※咬筋と胸鎖乳突筋のトリガーポイントにより誘発されることもあり。
咬筋
症状は多彩で多くの場所に痛みを送ります。
顎関節症の痛み、上下の歯、知覚過敏、顔面・眼下、鼻汁の原因、耳鳴りなど。
関連痛領域は眼下、耳、顎、前頭部になります。
好発部位は咬筋自体。
頭・頚板状筋
頭板状筋は頭頂部、頚板状筋は前頭部に痛みを送ります。
関連痛領域は後頚部、前頭部になります。(頭板状筋では頭頂部)
好発部位は乳様突起の後下方(くぼむ所)、第4〜5頚椎の外方。
顔面の痛みに関わるトリガーポイント
顔面へ痛みを送るトリガーポイントは以下になります。
胸鎖乳突筋
顔面では主に眼の周囲(時に副鼻腔)に痛みを送ります。
事故のむち打ちでもトリガーポイントが形成されやすいです。
関連痛領域は頭部全体、耳・眼(眼球深部)周囲、顎、奥歯になります。
好発部位は乳様突起から3横指、5横指、7横指下。
側頭筋
顔面では眼の上、顎、上歯・歯茎に痛みを送ります。
関連痛領域は頭頂部、側頭部、眼の上、顎、上歯になります。
好発部位は目尻から外方へ4横指(そこから後方に向かい多発しやすい)。
咬筋
顔面では顎、上下の歯、、顔面・眼の周囲、耳、副鼻腔に痛みを送ります。
関連痛領域は眼下、耳、顎、前頭部になります。
好発部位は咬筋自体。
後頭下筋
後頭下筋は後方の筋ですが、眼周囲に痛みを送ります。
関連痛領域は側頭部、前頭部になります。
好発部位は後頭下筋自体。
眼輪筋
その名の通り眼の周り、特に上側や鼻周囲に痛みを送ります。
関連痛領域は眼の上側、鼻周囲になります。
好発部位はまぶたの中央(上下とも)、眉毛内側端の直下。
※胸鎖乳突筋のトリガーポイントが原因になることも。
頬骨筋・上唇挙筋
眼の下、鼻の脇、鼻梁、額中央に至る顔面の痛みの原因となります。
(くしゃみ、鼻水、目の痒みなどアレルギー症状や緊張性頭痛を引き起こすこともある)
関連痛領域は眼の下、鼻の脇、鼻梁、額中央になります。
好発部位は鼻から頬骨のラインに沿って点在。
翼突筋
顎関節症の主原因(特に外側翼突筋)。
内側翼突筋は顎関節や耳の痛みを引き起こします。
関連痛領域は顎、耳、鼻の外側になります。
好発部位は翼突筋に点在。
※直接圧迫は難しいため咬筋を介してアプローチを行う。
後頚部の痛みに関わるトリガーポイント
後頚部に痛みを送るトリガーポイントは以下になります。
僧帽筋
後頸部痛に関わるトリガーポイントでは最重要の筋肉。
関連痛領域は側頭部(こめかみ)、後頭骨底部、顎、後頚部、肩甲骨上部・内側縁になります。
好発部位は僧帽筋の上部、肩峰とC7の中点、肩甲骨内側、上角。
筋肉をつまみ、リリースしていく方法が良いです。
肩甲挙筋
首の付け根に痛みや凝りを引き起こし、活性化すると肩甲骨内側縁と肩–背部に痛みが生じます。
振り向き動作で疼痛が生じる場合はこの筋肉が原因のことが多いです。
関連痛領域は後頚部、肩甲骨内側・背面になります。
好発部位は上角およびその上方(C2〜6の高さ)。
頭・頚板状筋
頚板状筋が後頚部痛に関与します。
目の奥にも痛みを送り、かすみ目の原因にもなります。
関連痛領域は後頚部、前頭部になります。(頭板状筋では頭頂部)
好発部位は乳様突起の後下方(くぼむ所)、第4〜5頚椎の外方。
棘下筋
主に肩前面や肩深部に痛みを送りますが、後頚部に痛みを送ることもあります。
関連痛領域は後頚部、肩前面、上腕外側〜前腕、肩甲骨内側になります。
好発部位は肩甲棘より2横指下。
側頚部の痛みに関わるトリガーポイント
側頚部に痛みを送るトリガーポイントは以下になります。
胸鎖乳突筋
側頚部や耳周囲に痛みを送ります。
事故のむち打ちでもトリガーポイントが形成されやすいです。
関連痛領域は頭部全体、耳・眼(眼球深部)周囲、顎、奥歯になります。
好発部位は乳様突起から3横指、5横指、7横指下。
肩甲挙筋
首の付け根に痛みや凝りを引き起こし、活性化すると肩甲骨内側縁と肩–背部に痛みが生じます。
振り向き動作で疼痛が生じる場合はこの筋肉が原因のことが多いです。
関連痛領域は後頚部、肩甲骨内側・背面になります。
好発部位は上角およびその上方(C2〜6の高さ)。
内側翼突筋
内側翼突筋は顎関節や耳の痛みを引き起こします。
関連痛領域は顎、耳、鼻の外側になります。
好発部位は翼突筋に点在。
※直接圧迫は難しいため咬筋を介してアプローチを行う。
顎二腹筋
顎に沿って痛みを送ります。
物を飲み込む時の痛みもこの筋肉が原因になることもあります。
関連痛領域は顎に沿った耳下方になります。
以上が頭頚部に関わるトリガーポイントです
頭頚部以外のトリガーポイントに関しては、こちらの記事を参考にどうぞ!
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トリガーポイントは痛み治療に凄く役立つ概念です。
今回紹介した上肢以外にも全身の痛みと深く関わるので、必ず知っておきたいところ!
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頭頚部痛に関わるトリガーポイント
いかがでしたでしょうか?
頭頸部痛に関わるトリガーポイントについて部位別にまとめました。
頭頸部の痛みもトリガーポイント由来ということも多いので、是非チェックしてみて下さい!
最後までお読み頂きありがとうございました。