理学療法士は国家資格であり、高齢化社会の日本では今後も安泰で食いっぱぐれなくと考えている人は多いと思います。
ですが、理学療法士を取り巻く環境は手放しに喜べる状況ではないのが実情です。
- 診療報酬の改悪
- PT人口の増加(リハ需要の低下)
- 上がらない給料
- 雇用制度の維持困難
上記のように理学療法士は向い風とも言える状況下に置かれています。
さらにこの傾向は今後さらに加速する可能性が高く、残念ながらもはや安定したキャリアとは言えません。
サバイバルの時代に突入していくと言っても過言ではないね
そのためこれから訪れるサバイバルのなかで、理学療法士として生き残れるように対策を今からしておかないといけません。
そんなわけで本記事では、これからの理学療法士の生き残るための対策を紹介していきます。
理学療法士がおかれた現状
理学療法士は国家資格に守られた安定した職業と思われがちですが、実はそうも言ってられないのが本当のところ。
そんな理学療法士の現状と将来の展望をチェックしておきましょう。
理学療法士は飽和に近い
理学療法士は毎年1万人近いペースで増え続け、2023年には累計で21万人を突破するなど激増しています。
2,000年以降は急激に増えているね
その一方で日本全体の人口は歳を追うごとに減少を重ねています。
つまりリハビリの対象となる人は減っているなかで、PTは激増しているというアンバランスが生じています。
そのため厚労省の発表でも、近いうちにリハビリの需給バランスが崩れ供給数が多くなると予想されています。
早くて2026年にはリハビリの供給が需要を上回り、さらに2040年には完全な供給過多になるとされています。
つまりは理学療法士(および作業療法士)があふれてしまうということ。
理学療法士が増えすぎてあふれてしまう状況では、下記のようなデメリットが…
- 働ける場所(求人)の減少=転職しにくい
- 給料の減少
- 昇給しにくい
- そもそもPTとして働けない
そのため将来的には理学療法士の資格はあって、別の仕事に就くという人も多くなるでしょう。
まさにサバイバルな状況になりそうだね
理学療法士の増えすぎ問題に関しては、こちらの記事でくわしく紹介しています。
稼げる人、稼げない人に分かれる
前述のとおり理学療法士が激増することで、結果として給料の減少とお伝えしました。
しかし、残念ながら理学療法士の給料はすでに日本の平均以下というのが実情です。
国家資格なのに平均以下なのは悲しいよね
ただ下図のように、PTの3割の人は日本全体の平均よりも稼いでいるのも事実。
給料面で平均以下の稼ぐか、それとも平均以上に稼げるようになる…まさしくお金の面でも競争が始まっています。
同じ仕事をするなら、しっかり稼ぎたいよね
今後訪れる厳しい競争の時代の中では、今のうちから戦略的に行動していかないといけません。
次からは理学療法士として生き残るための対策を紹介していきます。
理学療法士として生き残るための対策
将来的に厳しい競争の時代が来ると予想される理学療法士。
サバイバルに突入する中で、生き残るためにすべき対策は以下の6つです。
PTの生き残り術
それぞれ解説していきます。
PTとしてのスキルアップを図る
理学療法士として、長く生き残るにはスキルアップは欠かせません。
- 改善率の高いセラピスト
- 同僚、後輩への的確な指導ができるセラピスト
- 他職種と対等に意見交換できるセラピスト
上記のようなセラピストは、今後のPT飽和時代にも雇用側からすると“欲しい”人材と言えます。
そんな欲しいと思われる人材になるためにも、いつまでも自己研鑽を積み続けることを忘れてはいけません。
学び続けることは確実な生き残る道だよ
今後はリハビリ以外の知識やスキルも求められますが、まずは理学療法士としてのスキルアップが最優先優先!
最近はいつでも手軽に学べるオンラインセミナーが人気で、中でも「リハノメ」は豊富な動画数と質の高い講義内容で多くの人が活用しています。
初回980円とお試し感覚で使えるので、まずは1ヶ月だけでも活用してみると良いんじゃないでしょうか!
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リハノメの詳細は、こちらの記事で紹介しています。
また理学療法士と相乗効果の高い下記のような資格を取得することもおすすめです。
- 認定理学療法士
- 専門理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 心臓リハビリテーション指導士
- 介護支援専門員
- 認知症ケア専門士
- 栄養サポートチーム専門療法士
- 日本(地域)糖尿病療養指導士
資格は周りからみても分かりやすいスキルの指標となるので、興味のある分野の資格は取っておくと良いでしょう。
理学療法士のキャリアアップに繋がる資格は、こちらの記事で紹介しています。
本業の収入を増やす
リハ職が飽和していくと、どの職場も新たな採用に対しては給料をおさえて募集していくでしょう。
そうなると給料アップは難しくなるので、まだリハビリの需要がある今のうちに収入を上げておくのが得策です。
理学療法士としての収入を増やす方法は、主に以下の3つあります。
- 資格を取得し手当をつける
- 管理職になる
- 高年収の職場に転職する
上記のなかで特に高年収の職場への転職は効果的で大幅に収入をアップできます。
筆者も転職によって、年収が100万円以上もアップした経験があるのでその効果を実感しています。
転職前の年収
転職後の年収
仕事内容・量がほぼほぼ一緒でも、転職して働く環境が変わるだけで年収は大幅に変わりました。
なので、転職はどの理学療法士でもできる収入アップの方法です!
ただ今後は給料面で条件の良い職場はどんどんなくなっていくので、早く転職しないとそのチャンスは無くなってしまいます。
まさに椅子取りゲームって感じだね
なので、常に求人情報が手に入るようにしておくことが大切です。
ただ忙しい仕事のあいまに求人を探すのは限界があるので、転職サイトを活用し自動で求人が手に入る状態にしておきましょう!
給料のいい職場は自分で探したり、知人からの紹介もありますが、転職サイトも併用して探すのが効率的です。
理学療法士向けの転職サイトは数多くありますが、なかでも特にPTOT人材バンクは高年収の求人が多くおすすめ。
条件の良い病院・施設はすぐに募集が埋まってしまうので、いつ求人が出ても見逃さないように、まずは登録だけでもしてきましょう
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僕も今の職場にはPTOT人材バンクを使って転職したよ
PTOT人材バンクの詳細は、こちらの記事で紹介しています。
収入の柱を増やす(副業をする)
前述のとおり理学療法士としての収入を増やすことは大事ですが、これからの時代は理学療法士だけで生きていくのは厳しいのが現状です。
リスク分散という意味でも、複数の収入源を確保しておくのがすごくすごく大切です。
理学療法士が給料以外で収入の柱を作るには、主に以下3つが選択肢が挙げられます。
- 副業
- 株式投資(配当)
- 不動産投資
生き残るには、収入の柱を増やすことはマスト
上記のなかで副業は比較的リスクも低く、誰でも始めやすいのでチャレンジしてみると良いでしょう。
もちろん筆者も副業をしていて、本業の収入とは別で年間150万円前後の収入を得ています。
本業以外での収入があることで精神的な余裕もうまれるので、今後の厳しい時代を生き抜くには収入の柱を増やすことはマストです。
収入源が多いとPTとして働けなくなった時のリスク分散にもなるよ
理学療法士の副業としては、まずは下記5つを参考にしてみると良いんじゃないでしょう。
- せどり
- パーソナルトレーナー
- ブログ
- WEBライター
- セミナー講師
理学療法士におすすめの副業は、こちらの記事でくわしく解説しています。
人脈を広げる
人脈を広げることのメリットは大きいです。
他院の医師・セラピストだけでなく、リハビリ職種以外の人、さらには医療業界とは別の世界の人と交流することで、新たな情報を得ることができます。
さらには仕事や求人を紹介してもらえたり、トラブルが起きた時に助けてもらえたりとメリットも大きいです。
人脈が広いと、色んな場面で地味に効いてくるよ
特に医師とのパイプがあると開業するときに好条件で引き抜いてもらえたり、研究や事業展開のさいに声を掛けてもらえたりと何かと有利に働きます。
人脈って聞くと嫌悪感を抱く人もいるかもですが、人との繋がりで人生が好転していくことが多いのも事実。
打算的に人脈をつくるのはおすすめしませんが、いろんな人と関わると人生の選択が増えるのでおすすめです。
社会の流れを常にキャッチする
変化の激しい現代では、常に社会の流れや動向をキャッチできる状態にしておくのは重要です。
理学療法士の中で今アツいトピックは何なのか、稼げる分野はどこか、給料面でお得になる優遇税制はあるのかなど。
情報を知っているかどうかで、セラピストとしても社会人としても大きな差になります。
今後は情報を得る力、精査する力が生き残りを決めるよ
無理はしすぎない
理学療法士として生き残っていくために前述の対策は有効ですが、無理をしすぎないことも大切です。
長いPT人生のなかでは、時には疲れてしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも無理はしすぎず、時には休んだりするという選択も有効です。
理学療法士に疲れたときの対策は、こちらの記事でくわしく解説しています。
まとめ:今から準備して理学療法士として生き残ろう
本記事では、理学療法士が生き残るためにすべきことを紹介しました。
診療報酬の改定やリハ職の飽和などによって、理学療法士も生き残りを賭けたサバイバルの時代に突入することが予想されます。
そんな厳しい時代を生き残るためにすべきことは以下の5つ。
PTの生き残り術
上記を意識的に行い、理学療法士として生き残っていきましょう!
今から準備しておくのが大事だよ!
今回は以上です。