
退職を考えたとき、上司への伝え方や手続きなど、全体の流れが分からず不安になる方は多いです。とくに理学療法士の業務は担当制であることも多く、患者さんへの影響を考慮しながら、スムーズに引き継ぎをおこない退職まで進めることが重要になります。
退職に関するルールやマナーを知らないと、職場に迷惑をかけたり、退職後の手続きで損をしてしまうことも少なくありません。会社側で行う手続きと、自己都合退職などで自分がすべき手続きの順番や一覧を事前に理解しておく必要があります。
この記事では、理学療法士の転職に関する専門家として、退職を決意してから退職するまでの流れと、退職後に行う手続きの必要書類について解説します。やってはいけない退職行動やチェックリストも用意したので、失敗のない退職と転職活動の参考にしてください。
退職を決意してから退職日までの具体的な手順がわかる 円満退職のためにやってはいけない行動と注意点がわかる 会社側が行う手続きと自身で準備すべき書類が把握できる 退職後に必要な手続きの順番と一覧をリストで確認できる
退職を決意してから退職日までの流れと注意点

退職を決意してから実際に職場を去るまでには、踏むべきステップが存在します。ここでは、退職する時の流れや会社側とのやり取り、やってはいけないNG行動について整理します。
退職する時の基本的な流れ
退職を考えた際、まずは職場の就業規則を確認し、退職を申し出る期限を把握することが第一歩です。多くの病院や施設では「退職の1〜3ヶ月前」に申し出ることが定められています。
退職の意思を伝える際は、必ず直属の上司へ最初に相談するのが基本です。直属の上司を飛ばしてさらに上の役職者へ伝えると、上司の管理能力が問われる形になり、心証を悪くする可能性があります。
リガサポ業務の引き継ぎ期間を考慮して、早めに相談してもらえると調整しやすいです
上司との面談で退職日が確定したら、退職届を提出します。その後は、担当している患者さんの引き継ぎ資料を作成したり、他部署への挨拶回りをしたりと、退職日に向けて業務を整理していくのが退職までの流れとなります。
円満に辞めるためにやってはいけない退職行動
理学療法士として次のキャリアに進むためにも、円満退職を目指すことが大切です。そのためには、職場に大きな負担をかけるような行動は避けなければなりません。
もっとも問題になりやすいのが、就業規則を無視した直前での退職通告です。急な退職は、残されたスタッフの業務過多を招き、患者さんにも迷惑がかかってしまいます。
- 繁忙期を狙った急な退職の申し出
- 担当患者さんの引き継ぎをせず有給消化に突入する
- 退職理由として職場の不満ばかりを並べ立てる
- 直属の上司より先に同僚へ退職の噂を広める
退職の理由は「キャリアアップのため」など、前向きで個人的な理由を伝えるのが無難です。不平不満を理由にすると、引き止めにあったり、退職日までの居心地が悪くなったりする傾向があります。
会社側が行う退職手続きの概要
退職日が近づくと、会社側でも様々な退職手続きが進められます。具体的には、健康保険や厚生年金の資格喪失手続き、雇用保険の離職証明書の作成などです。
これらは基本的には会社側が行う手続きですが、退職者自身も「どの書類をいつもらえるのか」を把握しておく必要があります。特に失業保険の申請に使う書類は重要です。
- 離職票(退職後しばらくしてから郵送されることが多い)
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 年金手帳(会社で保管されていた場合)
- 退職証明書(希望する場合のみ)
退職日当日は、健康保険証や職員証、貸与されていたユニフォームなどを返却します。返却漏れがあると後日郵送する手間がかかるため、あらかじめチェックリストを作っておくと安心です。
希望退職や退職代行を利用する際の流れ
職場の経営状況等により希望退職を募集している場合や、どうしても自分で退職を言い出せない場合に退職代行を利用するケースも近年見られます。
希望退職に応募する場合は、会社側が提示する退職金の上乗せや再就職支援などの条件をしっかりと確認した上で、指定の期日までに手続きを進めます。一方で、教員からの退職など公的な立場からの退職の場合は、年度末での退職が原則となるなど、特有の流れがあります。



どうしても上司が高圧的で、自分から退職を言い出せない時はどうすればいいんだろう…
退職代行は、自分の代わりに業者が会社へ退職の意思を伝えてくれるサービスです。利用の流れとしては、業者に相談・依頼をし、費用を支払った後、業者が会社と連絡を取り合います。ただし、引き継ぎ等でトラブルにならないよう、利用は慎重に検討する必要があります。
退職後に行う手続きの流れと必要書類一覧


無事に退職日を迎えた後も、健康保険や年金などの公的な手続きを行う必要があります。ここでは、退職後に行う手続きの順番や、自己都合退職で必要になる書類について解説します。
退職後手続きの順番と期限
退職後にまず行うべきは、健康保険と年金の切り替えです。これらは退職の翌日から14日以内に行うという期限が定められているため、優先して手続きを進める必要があります。
健康保険は「国民健康保険への加入」「任意継続制度の利用」「家族の扶養に入る」の3つの選択肢があります。自身の状況に合わせて最適なものを選び、市区町村の役所や以前の職場の健康保険組合で手続きを行います。



離職期間が長引く場合は、年金や保険の手続きが漏れないよう注意しやすいです
また、年金についても「国民年金」への切り替えが必要です。これら公的な手続きを終えたのち、必要に応じてハローワークでの失業保険(雇用保険の基本手当)の申請へ進むのが、一般的な退職後手続きの順番となります。
自己都合退職における手続きチェックリスト
自己都合退職の場合、定年退職や会社都合退職とは異なり、失業保険の給付までに給付制限期間(通常2ヶ月)が設けられるなどの違いがあります。
手続きに漏れがないよう、退職後に自分で行うべきことをリストアップしておくことが大切です。以下のリストを確認しながら、順番に進めていきましょう。
- 退職日から14日以内:健康保険の切り替え手続き
- 退職日から14日以内:国民年金への種別変更手続き
- 離職票が届き次第:ハローワークでの求職の申し込み(失業保険の手続き)
- 退職した年の翌年2〜3月:確定申告(年内に再就職しなかった場合)
特に失業保険の申請は、手続きが遅れるとその分給付が後ろ倒しになるため、離職票を受け取ったら早めにハローワークへ足を運ぶのがおすすめです。
退職後の手続きに必要な書類一覧
各種手続きをスムーズに行うためには、必要な書類を漏れなく揃えておくことが重要です。役所やハローワークに出向く前に、必ず手元にあるか確認しましょう。
公的な手続きには、会社から受け取る書類のほか、自身で用意する身分証明書等が必要です。退職後すぐに全ての手続きが完了するわけではないため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
- 離職票(1と2)
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- マイナンバーカード(または通知カードと身分証明書)
- 印鑑
- 写真(失業保険申請用など)
もし、退職して2週間以上経っても会社から離職票が届かない場合は、早めに以前の職場へ問い合わせて状況を確認してください。
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スムーズな転職へ向けた退職の流れの整理
退職から各種手続きまでの流れを把握しておくことで、精神的な負担を減らし、次のキャリアへ向けてスムーズに動き出すことができます。
退職手続きの不備で前職とトラブルになったり、失業保険の申請が遅れて生活費に困ったりすると、焦って転職先を決めてしまい、ミスマッチに繋がる可能性もあります。



計画的に退職と転職を進められる人は、面接でも安心感があります
退職の流れをスケジュールに落とし込み、いつまでに何をすべきかを明確にしておくことが、後悔のない転職活動への第一歩となります。
退職の流れを把握して後悔のない転職へ
今回は、理学療法士が退職を決意してからの流れや注意点、退職後の手続きについて解説しました。
- 退職は就業規則を確認し、1〜3ヶ月前に直属の上司へ伝える
- 急な退職や引き継ぎの放棄など、職場に迷惑をかける行動は避ける
- 退職日当日は保険証や貸与品の返却漏れがないようにする
- 会社側が用意する離職票や源泉徴収票を確実に受け取る
- 退職の翌日から14日以内に健康保険と年金の手続きを行う
- 自己都合退職の場合は失業保険の給付制限期間に注意する
- 離職票が届き次第、速やかにハローワークで手続きを行う
- 退職後の手続きと並行して、無理のない範囲で転職準備を進める
退職に関する手続きは専門用語も多く難しく感じますが、一つずつ順番にこなしていけば必ず完了します。焦らず、確実に準備を進めていきましょう。





