理学療法士の数は年々増加しており、希望する職場への内定までのハードルは高くなってきているのが実情です。
そのため採用面接では、いかに採用側に好印象を与えられるかが大切になってきます。
採用側も面接での印象をすごく重要視しているよ
そんな採用面接でよく聞かれる質問のひとつに「どんな理学療法士になりたいか」というものがあります。
これは、単に将来の夢をたずねているわけではありません。
この質問では応募者の人となりや、理学療法士という職業に対する向き合い方、そして将来のビジョンを確認しようとしています。
そこで本記事では、これらをふまえ好印象を与える回答方法について、くわしく解説していきます。
「どんな理学療法士になりたいか」と面接で質問される理由
「どんな理学療法士になりたいか」と面接でこの質問をする目的は、主に3つの意図があります。
それぞれくわしく解説していきます。
応募者の回答から、将来の成長可能性や職場になじめる人材か、さらには医療従事者としての適性まで、包括的に知ることができます。
性格を知るため
この質問を通じて、履歴書からでは分からない応募者の人柄を垣間見ることができます。
例えば、「患者さんに寄り添える理学療法士になりたい」という回答からは、共感性の強さや患者第一志向の考え方が伝わります。
また、「最新の治療技術を常に学び続ける理学療法士を目指したい」という回答からは、向上心や学習意欲の高さが読み取れます。
さらに話し方などからは、コミュニケーション能力や仕事に対する姿勢なども知ることができます。
性格の良し悪しは、採用側もすごく知りたいところ
価値観を確認するため
理学療法士として働く上で大切にしている価値観や、医療従事者としての倫理観を確認する意図もあります。
- 患者第一の考え方があるか
- 患者さんの立場に立った治療を行えるか
- チーム医療の重要性を理解しているか
- 医療人としての責任感や使命感を持っているか
- リハビリテーション医療に対する情熱があるか
これらの価値観は実際に働く上では欠かせない要素であり、一緒に働いていける人材か入職前に見極めておきたいところ。
価値観のあわない人は採用したくないからね
ミスマッチを回避するため
働きたい職場と、自分が目指す理学療法士像があっていないケースはちょくちょくあります。
特にこれは新人や若いセラピストに多く、「うちの職場じゃその目標は難しいよ…」ってパターン。
面接の場面で、ミスマッチが起きてることに気づくことって多いよ
筆者の職場は整形外科クリニックで運動器リハがメインなのに、「内科や脳血管疾患をみれるPTになりたいです」って言われたことも…笑
理想の理学療法士像を見つけるポイント
「どんな理学療法士になりたいか」という 質問に対して、的確な回答をするためには理想の理学療法士像をはっきりさせる必要があります。
その理想の理学療法士像を見つけるポイントとしては、下記を意識すると良いでしょう。
自分の働きたい分野を見定める
理学療法士の分野は、非常に幅広く多岐にわたります。
- 急性期病院
- 回復期リハビリテーション病院
- 整形外科クリニック
- 循環器病院
- 介護老人保健施設
- 訪問リハビリテーション
- スポーツ施設
- 小児専門施設
- 行政機関
- 教育機関など
まず自分がどの分野で働きたいかを見定めることは、理想の理学療法士像を見つける第一歩です。
今、何に興味を持っているのか、どんな分野を深く知りたいかと自己分析することで理想の理学療法士像を見つける手掛かりになるでしょう。
色んな分野・領域を学び、興味があるものを見つけよう
活躍している理学療法士を知る
理想の理学療法士像を見つけるために、既にその道で活躍している理学療法士を知ることもおすすめです。
どのように仕事に取り組み、技術や知識を磨いているかを知ることで、目標がより具体的になり、理想の理学療法士像を具体的に定めることができます。
世の中の理学療法士を知るためには以下の情報機関をお勧めします。
- 医療雑誌
- ホームページ
- 各種学会、勉強会
- 交流会
- 先輩や後輩、同僚などからの紹介
特に色んな人と交流して、話を聞いたりするのが大切だよ
なりたい理想像を具体的に書き出してみる
自分の理想の理学療法士像をより具体的にするために、イメージを文字や言葉にして書き出すことも効果的です。
頭だけで考えるよりも、書き出すことで客観的な目線を持てるようになります。
興味のある分野や治療したい疾患、将来的に携わりたい目標、そして5年後の自分がどうなっていたいかなど。
具体的に書き出すことで、目指す方向性がはっきりするよ
自分の書き出した項目をもとに、理想の理学療法士像を見つけ将来の道筋をたてやすくなります。
「どんな理学療法士になりたいか」への面接での答えかた
ここでは、面接での「どんな理学療法士になりたいか」への答えかたを例文を示しながら紹介していきます。
ここでの回答に共通する重要なポイントはこちらです
- 具体的な目標を示している
- その目標を達成するための方法も言及している
- 患者志向の姿勢が表れている
- 専門職としての自覚が感じられる
- チーム医療への理解を示している
面接では、これらの要素を盛り込みながら自分の言葉で答えることが重要です。
また普段の臨床や実習での学びなども適切に織り交ぜることで、より説得力のある回答となります。
例文を紹介していくね
例文1:患者に寄り添う理学療法士
患者に寄り添う理学療法士という流れで、回答する場合には以下のような文章がおすすめです。
「私は、患者一人ひとりにたいして丁寧に寄り添い、その人に最適な治療を提供できる理学療法士になりたいと考えています。患者さんが抱える問題、不安や痛みを理解し、信頼関係を築くことが重要だと思っています。技術や知識を磨くだけでなく、コミュニケーションを大切にして、患者さんがよりよい生活をおくれるように全力を尽くしていきたいです。」
例文2:スポーツリハビリに特化した理学療法士
スポーツリハビリに特化した理学療法士理学療法士という流れで、回答する場合には以下のような文章がおすすめです。
「私は、スポーツ選手やスポーツ復帰を目指す患者さんが、怪我から早期に復帰できるようサポートする理学療法士になりたいと考えています。私自身も、スポーツをしていた経験があり、選手の悩みや不安を理解することができるため、身体的なケアだけでなく、精神的な支援も行いながらリハビリを進めていきたいです。」
例文3:高齢者の自立を支援する理学療法士
高齢者の自立を支援する理学療法士という流れで、回答する場合には以下のような文章がおすすめです。
「私は高齢者の方々が安心して、安全に自立した生活を送れるようにサポートできる理学療法士を目指しています。高齢化が進む中で、地域に密着した生活の質を維持・向上させるリハビリの重要性は、ますます増していると感じています。高齢者の機能維持・向上を目標に、日常生活を安心して過ごせるようにお手伝いをしたいです。また、ご家族や介護者との連携も大切にし、包括的なケアを提供していきたいです。」
解答4:在宅医療に関わる理学療法士
在宅医療に関わる理学療法士という流れで、回答する場合には以下のような文章がおすすめです。
「私は、訪問リハビリテーションをとおして、住み慣れた自宅という場でリハビリを行い、より生活に密着したリハビリテーションを提供できる理学療法士を目指しています。病院を退院しても自宅で安心して生活し続けることができなければ、再びケガや病気のリスクが高まります。訪問看護や地域の病院、ケアマネージャーと連携しひとりひとりの患者様を支えることができるよう、多角的な目線で治療を行っていきたいです。」
以上が例文の紹介です。
あくまで例文であり、ご自身の経験や今後のキャリア、希望する職場の特色と照らし合わせながらアレンジしてみてください。
自分自身の思い言葉にしてみてね
「どんな理学療法士になりたいか」と面接で聞かれたときの答え方まとめ
本記事では、「どんな理学療法士になりたいか」と面接で聞かれたときの答え方について書きました。
面接でこの質問がある目的は主に3つ
ただ何となく聞いているのではなく、上記のような目的があります。
質問への答えとしては、以下を意識して自分の言葉で答えると良いでしょう!
- 具体的な目標を示している
- その目標を達成するための方法も言及している
- 患者志向の姿勢が表れている
- 専門職としての自覚が感じられる
- チーム医療への理解を示している
記事内では、質問への回答の例文も紹介しているので参考にしてみてください。
例文も参考にして、オリジナルの回答を考えてみてね
今回は以上です。