外来リハビリをする上で、悩まされるのが患者さんのキャンセル。
キャンセルが入ると手持ち無沙汰にもなりますし、もちろん空き枠は経営的にも大きな痛手となります。
そして何より他のセラピストが予約どおり患者さんが来院しているなかで、自分だけキャンセルが立て続くと凹みますよね。
- 何かまずいことをしたんじゃないか
- スキルが足りないんじゃないか
- 人的に拒否された?
特にHSP気質のような繊細さんにとっては、キャンセルが立て続くと上記のようなネガティブな感情になることも多々…
キャンセルが続くと、どんどん自信がなくなっちゃうよね
とはいえ、当然ですがキャンセルにはセラピスト側の問題だけでなく、様々な理由があります。
そのためリハビリのキャンセル=自分が悪いと決め込まずに、まずはその理由を明確にするのが大切です。
本記事ではセラピストの外来リハビリのキャンセルとの関わり方、さらにはキャンセル率改善へのヒントをお伝えしていきます。
まずは外来リハビリのキャンセル理由を明確にしよう
外来リハビリのキャンセルを細分化すると、大きく5つに分類できると考えています。
キャンセル理由を明確にすると、必ずしもセラピストの問題だけではないのが分かります。
上記のようもセラピスト以外の理由も多くあり、キャンセルがあったからといって、一概に凹むのはやめておきましょう。
全てのキャンセルを自分のせいと考えると、心が持たないよ
それぞれの理由について、くわしく解説しています。
患者個人の事情
患者さん個人の事情によるキャンセルは、回避が難しい面もあります。
- 体調が悪くなった
- 仕事の都合がつかなくなった
- 天気の急変で行けなくなった
- リハビリ予約を忘れていた
- 急な用事(お葬式など)が入った
- 送迎する人の都合が悪くなった
- 経済的に通うのが厳しい
上記のような理由でのキャンセルは、経営面では痛手ではありますが、セラピスト側に落ち度はないので特に凹む必要はないと言えます。
その患者さんのなかでリハビリの優先度が低いからと言われればそれまでですが、正直こういった理由は仕方ないです。
高齢の患者さんは普通にリハ予約を忘れてることが多いよね
治療効果に納得がいっていない場合
この理由はセラピスト側のスキルの問題なので、反省しなくてはいけないキャンセルと言えます。
もちろん症状が何でもよくなるわけではないですが、介入していると患者さんもリハビリに満足していないのは分かります。
自分のスキル不足を感じるのであれば、次に活かしていかないと同じようなキャンセルを繰り返すだけになります。
真摯に受けとめて改善していくしかないよ
またリハビリの効果だけでなく、セラピストの行動や言動で信頼感を失い、キャンセルにつながってるケースもあります。
何気ないひと言が患者さんを傷つけてしまうこともあるので、振る舞いには注意が必要です。
治療方針のミスマッチ、説明不足
患者さんが病院やクリニックにくる理由はさまざま。
- ただ医師に診て欲しいだけ
- 薬を出して欲しい
- 注射をして欲しい
- リハビリもして欲しい
当然ですが、全ての人がリハビリを希望しているわけではないです。
なので診察で医師からリハビリをするようにすすめられて、仕方なく予約を取ったというケースも多々あります。
そのためリハビリの必要性を感じずにキャンセルや、数回だけきてキャンセルというケースも…。
患者の要望をくみ取れないとキャンセルに繋がるよね
またリハビリ場面での説明不足が原因のケースもあります。
例えば肩関節周囲炎の患者さんだと、どうしても拘縮期にはうまく回復が進まず停滞する時期があります。
論文的にも時間が掛かることは明白ですが、その説明がなければ患者さんからしたら「リハビリしても変わらない」となりドロップアウトになることも…。
どうリハビリが進んでいくか分からないと不安になるよね
セラピスト以外への不満
クリニックでは、セラピスト以外にも多くの職種が患者さんと関わります。
セラピストである自分との関係性は良くても、他のスタッフの振る舞いに不満を抱き「通いたくない」となることも多々…。
特に診察室で医師とトラブルになり、リハビリに来なくなるケースは意外と多いです。
症状が良くなっているケース
この理由でのキャンセルは、もちろん良いキャンセルなので特に凹む必要はないです。
症状が良くなれば、患者さんにとってリハビリの優先度は下がるので、自然と足が遠のくは当然のこと。
不要なキャンセルを防ぐ意味でも、ズルズル予約は入れずに終了を決めていくのが、経営面でも得策です。
治療効果が出ているならキャンセルとなってもOKだよ
キャンセルの理由がわかれば対策をしよう
ここでは外来リハビリのキャンセルへの対応策について紹介していきます。
筆者の勤務する整形外科クリニックで行っている施作も紹介しますので、参考にしてみてください。
それぞれくわしく解説していきます。
スキル、接遇の向上
セラピストの治療効果や接遇に満足がいかないという理由でのキャンセルは避けたいところ。
そのために近道はなく、愚直に学び続けるしかないです。
さいわい今ではサブスク型のリハビリ向けオンラインセミナーが充実しており、スキマ時間でもサクッと学習できる環境が整っています。
オンラインセミナーは繰り返し学べるから理解度が高いよ
リハビリ向けオンラインセミナーは多くありますが、なかでもリハノメはコンテンツ数も多く高コスパでおすすめです。
多くのセラピストが活用しているリハノメで、スキマ時間にも自己研鑽して治療スキルを高めていきましょう。
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LINE連携でリマインド
最近の予約システムでは、LINEと連携でき予約前日に通知がいくリマインド機能がついてるものもあります。
通知がいくことで、うっかり忘れていたキャンセルを予防できます。
LINEは高齢者でも利用者が多く、手軽なツールのため予約システムにLINE通知機能があれば活用してみましょう。
通知がいくことで、当日の急なキャンセルを減らす効果もあるよ
予約の取り方を工夫する
まとめて予約を取るのは楽ですが、キャンセルに繋がりやすいと考えています。
どうしても人間なので、先に何回も予約が入っていれば1回くらいはキャンセルしても良いかと思うのも当然。
予約をできるのは2回先まで!と制限をつけて、キャンセルしにくい仕組み作りをするのもおすすめです。
キャンセルが多い人は、予約を制限するのもおすすめ
キャンセルポリシーを決める
キャンセルをする人は、何回も繰り返すひとが多いです。
なのでキャンセルのポリシーを決めるのもおすすめです。
- 連続して無断キャンセルが続けば、以降の予約は取らない
- キャンセルが続いた場合には、一度診察に促し判断を継続の仰ぐ
- キャンセルは前日までに電話のみで受け付ける
キャンセルポリシーを設定しているところは意外に多いです。
以前、X(旧:twitter)で投稿したところ、様々な職場の方から以下のような回答をいただいたので参考にどうぞ
多くの施設が複数回続けて無断キャンセルが続けば、予約は取らないルールを決めているようです。
また訪問リハビリのなかにはキャンセル料を設定しているところもありますが、なかなか導入は難しい印象です。
電話を掛ける
当院では、予約時間から10分経過した患者さんには電話をし、キャンセルかどうかの確認をしています。
直接的なキャンセルの対応にはなりませんが、患者教育という側面で実施しています。
また電話を掛けキャンセルが分かれば、仮に2単位の予約であれば、残りの1単位で新患対応ができ収益の取りこぼしを最小限にできます。
正直、電話を掛けるのは面倒だけど、メリットも大きいよ
患者の要望をくみ取る工夫をする
当院では、問診票に希望する治療方法という欄を設けて、要望をくみ取れるようにしています。
患者の希望を聞くことで、治療方針のミスマッチを減らすことができています。
また医師にも診察の際は、できる限り患者さんの要望を聞き取ってもらうよう配慮してもらっています。
外来リハビリのキャンセルの理由を明確化して対策していこう
本記事では、外来リハビリのキャンセルの理由と対策、さらにはキャンセル時の心の持ちようについて書きました。
リハビリのキャンセル=自分が悪いと決め込まず、まずはキャンセルの理由を下記のように明確化することが大切。
上記のようにセラピスト以外の問題でキャンセルがあることがわかります。
病院、クリニック全体としてキャンセルを減らすためにも、理由を明確化して対策をしていく必要があります。
おすすめの対策方法としては、下記の点が挙げられます。