脳梗塞の前兆・初期症状

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脳梗塞の前兆・初期症状とは

 片方の手足が動かしづらくなる、ろれつがまわらなくなる、温度を感じにくくなる…など、脳梗塞が疑われる症状は様々です。
 脳梗塞の前兆として代表的な一過性脳虚血発作(TIA)は、このような脳梗塞が疑われる症状が数分~数十分ほどの短い間だけ起こります
 「すぐにおさまったから」と病院に行かない人もいますが、実は、TIAを発症した人のうち、90日以内に脳卒中が起こる危険度は15~20%に及びます。

脳梗塞の前兆? 脳梗塞が疑われる症状とは

 脳梗塞の前兆として、数分~数十分ほど脳梗塞が疑われる症状があらわれることがあります。これは脳梗塞の前兆として代表的な一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれるものです。


脳梗塞・TIAが疑われる症状例

  • 手足から力が抜ける
  • 片方の手足がしびれる
  • 足がもつれてしまう
  • ろれつがまわらない
  • 言葉がとっさに出てこない
  • 他人の言葉が理解できない
  • ものが見えにくい
  • 突然倒れる

※どれかひとつだけの場合もあれば、同時にいくつか症状が出る場合もあります。

※これらの症状が出た場合必ず脳梗塞やTIAであるというわけではありません。他の疾患でも同様の症状が現れることはあります。


FASTチェックで、もしもの時も素早く対処

 FASTチェックとは、脳梗塞が疑われる症状を簡単に表す標語です。

 これを覚えておくと、とっさのときの判断の助けになるのでおすすめです。

「F」……FACE(フェイス・顔) 顔面麻痺(顔の片側がさがる・ゆがみがある)
「A」……ARM(アーム・腕) 腕の麻痺(片腕に力が入らない)
「S」……SPEECH(スピーチ・話す) 言語障害(言葉が出てこない、ろれつがまわらない)
「T」……TIME(タイム・時間) 発症時間(いつからそうなったか)

 たとえば、「右手が突然動かしづらくなったけど、数分でおさまった」といったケース、症状が突然あらわれたのでびっくりはしても、数分後には普段と同じように体を動かせたりすると、つい様子見をしようと考えがちです。念のため病院へ行こうと思った人でも、体が普段どおりに動かせることから自力で病院へ行こうと考えることもあるかもしれません。

 ですが、TIA発症後、数ヶ月後に脳梗塞を発症する場合もあれば、数分後~数時間後に発症することもあります。また、脳梗塞は発症後の素早い対処が、その後の症状の緩和や機能回復に影響しますので、脳梗塞が疑われる症状が起こったらすぐに救急車を呼び、病院に搬送してもらいましょう。

一過性脳虚血発作(TIA)とは

 脳梗塞の前兆として代表的な一過性脳虚血発作とは、数分~数十分だけ脳梗塞が疑われる症状があらわれるというものです。略称でTIAとも呼ばれています。

一過性脳虚血発作(TIA)の主な原因とは

 TIA発症の原因やメカニズムは患者によって様々で、一概にこれと説明することはできません。
 ただし、リスク因子は脳梗塞と同じで、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、心房細動、肥満、喫煙・飲酒などが挙げられます。

一過性脳虚血発作(TIA)の重症度テスト『ABCD2スコア』

  医師が患者の重症度をはかる際に参考にする『ABCD2スコア』というものがあります。

 点数が高いと、より脳梗塞発症の可能性が高くなります。

脳梗塞の前兆│TIAの重症度テスト│一過性脳虚血発作のテスト│ABCD2スコア
 

一過性脳虚血発作(TIA)の治療について

 TIA発症後は、脳梗塞の発症を防ぐために、どういった経緯でTIA発症にいたったのか原因を調べ、すぐに患者それぞれに対して適切な治療を行います。点滴または内服による薬物療法や、血管内治療などが検討されます。

 急性期をすぎた後は、脳梗塞と同じく再発予防の薬を服用したりなどします。

一過性脳虚血発作(TIA)発症後、脳卒中を発症する割合

 『脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017対応]』によると、TIA発症後90日以内に脳卒中を発症する危険度は15~20%にも及び、さらにTIA発症後90日以内に脳卒中を発症した患者のうち、約半数が48時間以内に発症しているそうです。
 その中で、TIA発症平均1日後に治療を受けた場合、90日以内の脳卒中発症率が2.1%だったとのデータもあります。
 脳梗塞と同じく、TIAに関しても早期の治療が重要であることがわかります。

一過性脳虚血発作(TIA)の予防

 TIA、ひいては脳梗塞の予防は、脳梗塞を誘発するリスク(危険因子)を減らしていくことなどがあげられます。
 脳梗塞を誘発するリスクとは、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、心房細動、肥満、喫煙・飲酒などが挙げられます。
 したがって、高血圧、高血糖、高コレステロールなどにならないよう普段から食事や運動などの生活習慣を意識することや、たばこをやめる、アルコールは控えめにするといった生活改善が脳梗塞の予防につながります。

監修ドクターのコメント

 どのくらいの努力をすれば十分なのかということについては決まった正解がありません。できることをすべて行ったとしても、リスクがゼロになるわけでもありません。現実的な日々の自己評価としては体重や血圧など家庭で測定できる項目をチェックしていくことでしょう。変化があれば原因があるはずなので、そこに対して対応を変えていくことができるかどうかを、必要に応じてケアマネージャーや主治医と相談していくと良いでしょう。

 また、脳梗塞になりやすいといわれるような状態になっていないか、定期的に健康診断を受けてチェックするのも大事です。

監修ドクターのまとめ

 脳梗塞の症状は多岐にわたりますが、そのうち一部が一時的にでも現れた場合には注意が必要です。TIAそれ自体は「もとに戻らない変化」ではないのですが、「もとに戻らない変化」である脳梗塞に高い割合で繋がっていく状態ですし、その時点で治療をすることに効果があると考えられています。

  • 脳梗塞の症状について、代表的なものを覚えておこう。キーワードはFAST!
  • 一時的に症状が現れた場合、TIAの可能性があり、検査と治療が必要。

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